日本車の牙城「タイ」 EV戦争ぼっ発で、タイ政府が中国になびき始めたワケ【連載】方法としてのアジアンモビリティ(3)

キーワード :
, , , ,
急速に変化・成長する経済圏として、世界的に注目されているアジア。この地域発のモビリティ・アプローチが、今後の経済において重要な役割を果たすことはいうまでもない。本連載では、アジアにおけるモビリティに焦点を当て、その隆盛に迫る。

中国訪問に積極的なタイ政府

タイ投資委員会のウェブサイト(画像:タイ投資委員会)
タイ投資委員会のウェブサイト(画像:タイ投資委員会)

 タイ政府は、EV生産工場の誘致にも積極的に取り組んでいる。タイ投資委員会(BOI)のナリット長官は頻繁に中国を訪問し、EV各社と協議している。

 こうしたなかで、中国のEV各社は、タイでの工場建設に強い意欲を示している。BYDは同社初の国外工場をタイ東部ラヨン県で建設中だ。

 3月13日には、中国のEVメーカー「合衆新能源汽車」がバンコク東郊でEVの組立工場建設に着工したと発表した。2024年1月下旬に生産を開始する計画だ。4月20日には、中国の自動車メーカー「長安汽車集団」が98億バーツ(約380億円)を投じて、EVなど電動車の新工場をタイに建設すると発表している。

 さらに、BOIは7月4日、中国のEV大手の奇瑞汽車(チェリー)がタイでのEV工場設置に強い関心を示していると発表した。同社は来年初めに「オモダ5EV」を発売し、タイの市場に参入する方針だ。

 中国EV企業の積極的な姿勢は、タイと中国の安定的な関係にも支えられている。2022年11月19日には、習近平国家主席がタイを訪問し、プラユット首相と会談している。両首脳は、

「より安定し、より繁栄し、より持続可能な中国とタイの運命共同体を構築する」

と宣言。

・投資
・貿易
・観光
・インフラ
・産業パーク

などの分野における協力を強化することで合意している。

全てのコメントを見る