トヨタ出資の米「空飛ぶタクシー」試験飛行へ ANA連携で国内動向どうなる
令和の今、eVTOLという「空飛ぶクルマ」の実用化が急激に現実味を帯びてきた。米エアベンチャー企業を支える国内3社の動向をたどる。
実用化の背景にある電動化技術の進化

クルマがいつか空を飛ぶ――。そんな夢のような話は昭和の昔から語られて来た。しかしそれが実現することはなかった。そして平成を経て令和の今、電動垂直離着陸機(eVTOL)という名の「空飛ぶクルマ」の実用化が急激に現実味を帯びてきた。
狭いスペースから離陸し、そして着陸できる小型のeVTOL。乗員は5人程度と、その性格はまさしく「空飛ぶクルマ」である。
こうした急激なムーブメントの背景にあるのは、電動化技術の進化だ。高出力かつ軽量なモーター。大容量のバッテリー。信頼性の高い補機と制御装置。いずれも航空機用としては近年になって実現化した新しい技術だ。
日本の企業で、このeVTOL分野に熱心なのは
・トヨタ
・ホンダ
である。
前者は米国のエアベンチャー企業であるジョビー・アビエーション(カリフォルニア州、以下ジョビー)とのジョイントを通じて、後者はホンダ独自の技術での自主開発を目指している。ホンダの場合は純粋な電動ではなく、ガスタービンハイブリッドとなっているのが特徴だ。
なお、ホンダの機体はまだ実機が存在しない。そこでここからはジョビーの機体をメインにその将来性を検証してみたい。