なんと総勢600両 台湾鉄路“初モノ”だらけの特急電車 「EMU3000型」の詳細に迫る
新車両でも流れる「ニホンゴ」

高雄駅から約2時間で台湾南東部の拠点・台東駅に到着。ここでは多くの乗客が入れ替わった。次は目的地の鹿野駅だ。鹿野はかつて日本人移民村だった町。現在は郊外のリゾート地としても知られる。
現在、鹿野は台湾華語では「ルーイェ」と発音するが、車内放送からは「しかの」という発音も。実はこれは日本人向けではなく、東部エリアに多く住む原住民・アミ族(阿美族)の言葉であるアミ語の放送だ。
自強号の車内放送は、
「台湾華語(北京語) → 台湾語 → 客家語 → 英語」
の順に行われるが、東部幹線の一部ではアミ語も追加される。これは、EMU3000型の新自強号でも同様。真新しい車内で聴く原住民の言葉は少し新鮮だ。
このアミ語では、現在も日本統治時代に入ってきた「ニホンゴ」の語彙(ごい)が使われることがある。そのため鹿野は現在も日本人が命名した「しかの」の発音のまま。こうした例は複数あり、台湾東部最大の都市である花蓮(ファーリェン)は日本統治時代に「花蓮港市」であったため、現在も「かれんこぅ」とアナウンスされる。乗車した際にはぜひ「ニホンゴ」が混ざるアミ語の車内放送にも耳を凝らしてみよう。
これまでの台鉄の車両とは違う、さまざまな新要素が盛り込まれたEMU3000型。先述したとおり、2023年4月末からはさらなる増発が行われたほか一部列車に自由席も設けられることとなり、以前よりも気軽に乗車することができるようになった。
台湾に行った際には、ぜひEMU3000型・新自強号に乗車して「新時代の台鉄」を実感してほしい。
●参考文献:
鐵道情報編輯部(2023):EMU3000型電聯車.鐵道情報260,pp.28-81.(中文)
臺灣鐵路管理局(2019):「城際電聯車 600 輛」購案赴日本考察車輛製造廠及觀光列車行銷.臺灣鐵路管理局,國家發展委員會公務出國報告資訊網8.(中文)