なんと総勢600両 台湾鉄路“初モノ”だらけの特急電車 「EMU3000型」の詳細に迫る
車内にさまざまな「自強号初モノ」

早速EMU3000型の車内へと足を進める。車内はデッキ、室内ともにモノトーンでまとめられており、従来の自強号よりも落ち着いた印象。全ての車両端には大型荷物置き場が設置されたほか、3号車と7号車には車いす固定スペースも設けられた。また、トイレは全車両に設置されており、混雑時も安心だ。デッキと客室の扉は台鉄で初となる全面ガラス扉が採用されている。
車内案内表示器としては、TEMU1000型では単色LEDが、TEMU2000型では液晶ディスプレイ(LCD)モニターが採用されていたが、EMU3000型では側面方向幕と同じくフルカラーLEDが採用された。この車内へのフルカラーLED設置も自強号初だ。
高雄駅周辺は2018年に地下化されたばかりの新線であり、発車は極めてスムーズ。営業最高速度は時速130kmで、車内案内表示器には時折運行速度が表示される。
座席は当初、
「座りづらい」
という声があったというが至って快適だ。2022年には座席の角度調整が行われたという。座席の後ろには背面テーブルがある。従来の自強号には背面テーブルがなかったが、TEMU2000型で初採用となった。
このEMU3000型の座席において特筆すべきなのが、全席下部に電源用コンセント・USB端子が設置されたことだ。日本の特急列車では当たり前になりつつある電源コンセントであるが、これまでの自強号ではTEMU1000型・TEMU2000型に共用充電スペースがあったのみで、座席への電源コンセント設置は台鉄で初となった。フリーWi-Fiが設置されているのも旅行者にとってはうれしい。
このほか、車両内への自動体外式除細動器(AED)設置、防犯カメラの設置なども自強号で初となっている(フルカラーLED方向幕や防犯カメラは2021年デビューの普通列車向け電車「EMU900型」にも採用されている)。