男だらけのタクシー業界! 女性ドライバーわずか「4%」という辛らつ現実、ジェンダー平等時代に浮き彫りになった知られざる格差とは
女性タクシードライバーの構成比はわずか「4.2%」である。車の運転自体は性別問わずできるのに、なぜ大幅に増えないのか。
女性専用タクシー

ところで、防犯カメラの存在は女性利用客にとってもプラスになると考えられる。
女性利用客は、特に夜の時間帯は安全面を考えてタクシーを選択するのだが、それでも男性タクシードライバーの車に乗り込むことに緊張している場合が多い。女性である筆者自身も、酔っているのが悟られないよう、できるだけシャキッとして、隙のないように過ごす。
そのため、女性タクシードライバーは、女性利用客から「女性のドライバーでよかった」といわれることが多い。
女性タクシードライバーのニーズは多い。夜間に限らず、痴漢がトラウマ(心的外傷)となって電車通勤できなくなった人や、子どもの塾の送り迎えを女性ドライバー限定で頼む人もいる。
人当たりのよさや安心感から介護タクシーなどで指名を入れる年配者もいる。筆者も先日、病院に到着した女性の介護タクシードライバーが明るくにこやかに待合室に客を呼びに来たのを見て、いつも指名されているのだろうと感じた。女性専用のタクシー会社や、女性タクシードライバーを呼べるサービスを実施している会社も存在している。
今後女性ドライバーを増やすには

女性のタクシードライバーを増やすにはどうしたらいいのか。
前述の一般女性が対象のアンケートでは、交通事故の恐れからタクシードライバーになりたくない女性が多かった。安全装置の設置や運転講習を充実させ、それを周知することが必要になってくるだろう。
オフィスに女性専用の手洗いや更衣室がないところがあるので、女性を採用する限り、会社は整備していく必要がある。
そしてなにより、昼日勤を採用する会社を増やすことが大切だ。需要の大きい夜間の人材確保が難しくなるということだが、夜日勤の採用もしつつ、長時間勤務の風習を変えていくことで、タクシー業界のイメージも変わっていくはずだ。