男だらけのタクシー業界! 女性ドライバーわずか「4%」という辛らつ現実、ジェンダー平等時代に浮き彫りになった知られざる格差とは
性別による差別、安全上の懸念

タクシードライバーの職業は、歩合であれば、経験とセンス次第で稼ぐことができる。人によっては男性以上に稼ぐし、ハイヤーや個人タクシーへのキャリアアップに女性が不利なこともないようだ。
それでも、女性だから受ける差別はあるのか。インターネットでは、男性利用客から運転技術が大丈夫なのかと確認されることがあった人が見受けられた。
また酔っぱらった男性客から受けるセクハラ発言なども、やはり残念ながらあるようだ。助手席に座らせてほしいとリクエストしてくる利用客もいるという。
実際、タクシーは個室である。怖い目にあったことがないという女性タクシードライバーも多いが、夜間には特に安全上の懸念があると考える人が外野も含めたくさんいる。
2021年は、ドライバーの性別問わず、タクシー強盗発生件数が61件だった。この年の
7月には、都内を走る女性タクシードライバーが酔客に殴打された事件もあった。
さかのぼれば、1998(平成10)年に神奈川で発生した女性タクシー運転手殺人事件が未解決のままである。
めったにないこととはいえ、見過ごせない問題だ。
実施されている防犯対策

タクシー会社は防犯対策をいくつか行っている。
そのひとつが運転席と客席を仕切る防犯仕切り板である。実感としては新型コロナ禍の頃から増えたのが、全国で
「74.8%」
の設置率(2022年3月時点)になったという(全国ハイヤー・タクシー連合会の「タクシーの防犯設備設置状況」調べ)。
防犯カメラの設置率は87.4%だ。これによって、セクハラが減ったと感じている女性タクシードライバーもいる。
それ以外にも、通行人に異変を知らせる車外防犯灯設置が86.9%、衛星利用測位システム(GPS)等と連動した緊急通報装置付無線機等設置数が76.2%となっているので、以前に比べたら勤務上の安心感は増えたようだ。