男だらけのタクシー業界! 女性ドライバーわずか「4%」という辛らつ現実、ジェンダー平等時代に浮き彫りになった知られざる格差とは

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女性タクシードライバーの構成比はわずか「4.2%」である。車の運転自体は性別問わずできるのに、なぜ大幅に増えないのか。

女性には特に難しい勤務形態

女性乗務員の構成比の推移(画像:全国ハイヤー・タクシー連合会)
女性乗務員の構成比の推移(画像:全国ハイヤー・タクシー連合会)

 昼日勤の存在を意外に感じた人はいるかと思うが、実際には昼日勤のある会社は非常にまれなのだという(『ドライバーズワーク』、2022年05月31日更新)。

「夜日勤」も存在するが、一般的なものは「隔日勤務」である。1日働いて1日休むスタイルだ。

 この1日働くというのは、一般的にイメージされる8時間勤務ではない。

「1日 = 24時間」

の解釈の方が近い。

 午前中から働きはじめ、日付をまたいで翌日の午前中まで働くことを意味する。3時間休憩は取るものの、だいたい20時間(最大21時間)仕事をして、次の20時間休む。丸々休みの日もあって、月12回ほどの出勤になる。

 隔日勤務は意外と体が楽だという女性ドライバーも見受けられるが、男女問わず気力体力の消耗が想像される。仕事として考えると、ここが一番のネックになるだろう。

 2016年に、国土交通省がタクシードライバーのイメージについて一般の女性を対象にアンケートを採った際も、ドライバーとして働きたくない理由が

「長時間労働・勤務時間の調整が難しそうだから」

が39.7%でトップだった。

 特に子育てする女性には不向きな勤務形態で、子どもがかなり大きくなってからでないと難しい。45歳以降の女性タクシードライバーの層が厚い理由のひとつはここにありそうだ。

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