貧困層は「交通事故」に遭いやすい? ロンドンの調査データにみる現代の理不尽、東京では大丈夫なのか
東京はあてはまるのか

実は、ニューヨークでも同様のデータが発表されている。
以前、市内の貧困地域の歩行者の死亡者は
「裕福地域の3倍」
だった。大通りでスピードを出し過ぎる車が多いことなどが原因と考えられ、道路設計や信号時間の調節といった対策を進めたという(2017年3月28日付け『DAILYSUN』)。
ロンドン、ニューヨークとふたつの大都市にあてはまるこの傾向であるが、東京はどうなのか。
ロンドンのような細かな地域別のデータがないので、ざっくりではあるが、ためしに23区で見てみたい。区の貧困レベルは、生活保護を受けている世帯数の比率の高さを指標とした。負傷者数は重傷、軽傷を問わない。
生活保護を受けている世帯数の比率が低いのは、1.11%の中央区を筆頭に、港区、千代田区、目黒区、文京区、世田谷区、渋谷区であり、この7区(上位約30%)の区内公道1kmあたりの死傷者数は2.21人となった。
一方、生活保護を受けている世帯数の比率が最も高いのは5.93%の台東区で、以下、
・足立区
・板橋区
・江戸川区
・葛飾区
・荒川区
・新宿区
となる。
この7区(下位約30%)の区内公道1kmあたりの死傷者数は1.49人だった。ロンドンやニューヨークの法則がまったくあてはまらなかった。くくりが大きすぎる可能性は高い。例えば台東区には住民が20万人以上いるし、もちろん裕福地域もある。
ハード面の道路のクオリティーの差が東京の方が断然小さいとは言い切れないのだが、ソフト面については、まだまだ日本人が多く、交通に関する教育の差が大きくないことも考えられる。
23区で見比べたところ、中央区、港区、千代田区など裕福地域が、区内公道1kmあたりの死傷者数が多い上位3区になったのだが、昼間の人口密度(従業地・通学地による人数/令和2年国勢調査)が東京23区内のベスト3であったことで、人も交通量も多いことなどが考えられる。
なお発生場所ではなく、区民が23区内で交通事故に遭った人数はデータが存在しないので確認していない。