「歩車分離式信号機」全国で増加中も、思ったより万能じゃないワケ

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「歩車分離式信号機」は交通事故を軽減できるといわれるが、全ての信号機を同信号機へ変える必要はない。そのワケとは。

設置場所の選定が重要

歩行者用信号の青につられて、車両が「うっかり発進」する可能性も(画像:JAF)
歩行者用信号の青につられて、車両が「うっかり発進」する可能性も(画像:JAF)

 さて、このまま全ての信号機を歩車分離式信号機へ変える必要があるのか。その答えについて、筆者(熊谷透、フリーライター)は「ノー」と考える。

 警視庁の公式サイトでは、設置する信号機を「歩車分離にしてほしい」という一般市民からの要望に対して、

「歩車分離の課題として、歩行者と右左折する車両の通行を時間的に分離することから、待ち時間が長くなることにより歩行者の信号無視を誘発するおそれがあるとともに、車両の青時間が短くなることにより、渋滞が発生するおそれもあります」

と回答している。

 また、歩車分離の導入については

「交通量や交差点形状などの条件から総合的に判断」

という。設置場所の交通量や歩行者の流れが少ない場合、歩車分離式信号機を設置してもその効果は限定的になる。さらに余計な渋滞を発生させるなど、車両と歩行者の利便性を損なうリスクもある。

 そして信号機の設置やメンテナンスには費用がかかる。交差点の大きさによってかかる費用は変わってくる上に、設置をすればその後の維持管理費用もかかる。コスト面から見ても、真に必要とされる箇所に設置していかなければならない。

 ちなみにインターネット上でも、

「ドライバーが歩車分離式に気づかずに、歩行者信号の青につられて、つい発進してしまっているのをたまに見かける」
「事故を減らす目的なのに、待ち時間が長いせいで歩行者の信号無視が続発してる気がする」

など、歩車分離式信号機の危険性に関するコメントが寄せられている。こういった点も踏まえると、歩車分離式信号機は絶対に安全というわけではなく、むしろ新たな課題が生じるデメリットもある。

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