わずか25年で廃線 広島市「スカイレール」が浮き彫りにした、ニュータウン路線の逃れられぬジレンマ

キーワード :
,
2023年12月末に廃止が予定されている、広島市のスカイレール。なぜ存続に失敗したのか。

刻々と廃止がせまるスカイレール

スカイレール(画像:(C)Google)
スカイレール(画像:(C)Google)

 今回は、2023年12月末に廃止が予定されている、日本で唯一無二のスカイレールについて話をしよう。

 スカイレールとは、スカイレールサービス(広島県広島市)が運営している、1998(平成10)年8月に開業した山陽本線瀬野駅(同)に隣接するみどり口駅とみどり中央駅を結ぶ短距離交通システムである。スカイレールのスペックは次のとおり。

・営業キロ:1.3km
・駅数:3駅(みどり口、みどり中街、みどり中央)
・運行本数:約180便(平日)
・運賃:170円

 短距離交通システムというだけあって、所要時間は片道(みどり口~みどり中央)約5分であり、車体長3.3m、幅2.1m、乗車定員25人(座席数8席)のかわいらしいゴンドラでコトコト山を登っている。

 そもそもスカイレールは、瀬野駅北側の山を切り開いて造成したスカイレールタウン瀬野みどり坂の宅地開発者が、ニュータウンで生活する人向けに設置した路線であり、積水ハウス、三菱重工業、神戸製鋼所などが出資者に名を連ねている。

 またスカイレールは、ニュータウンの名前にも使用されるぐらい、当時としては画期的な交通システムであった。

全てのコメントを見る