わずか25年で廃線 広島市「スカイレール」が浮き彫りにした、ニュータウン路線の逃れられぬジレンマ

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2023年12月末に廃止が予定されている、広島市のスカイレール。なぜ存続に失敗したのか。

「モノレール + ロープウエー」な乗り物

スカイレールの前面展望(画像:山本哲也)
スカイレールの前面展望(画像:山本哲也)

 スカイレールが唯一無二といわれるゆえんは、ロープウエーとモノレールを一体化した、ユニークなシステムにある。

 モノレールのように鋼製桁を軌道とするものの、ロープウエーのように車両がワイヤロープをつかんで移動している。このためスカイレールの沿線では、スカイレールが走行中にワイヤロープが動く音が響いてくる。なお駅部では、車両がワイヤロープから放れて、地上1次リニア誘導モーターで加減速する仕組みになっている。

 神戸製鋼所のウェブサイトによると、スカイレールには次のような特徴がある。

・経済性:建設費は自動案内軌条式旅客輸送システム(AGT)の約1/3。輸送力は2200人/時
・環境性:省スペース、低騒音
・走行性:半径30mの急カーブにも対応可能で、登坂性能は27%と急勾配に強い

 実際乗車してみると、かなりの急勾配を登っているような体感を得て、かつ青空に吸い込まれていくような感覚も手伝ってか、遊園地のちょっとした乗り物のように思えてくる。

 スカイレールを手がけた三菱重工業と神戸製鋼所は、都市部や高低差のある空間、あるいはリゾートやテーマパークの移動手段としてスカイレールの普及を目指していた。しかし、思うように受注が進まず、結果として日本で唯一無二の交通システムとなった。

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