わずか25年で廃線 広島市「スカイレール」が浮き彫りにした、ニュータウン路線の逃れられぬジレンマ
突然の営業損益の悪化の原因

1998年8月の開業以降、スカイレールの経営は決して順調ではなかった。ここで、鉄道統計年報における鉄軌道業の営業損益データをみてみよう。
・2012年度:営業収益1億5518万9000円、営業費1億7658万1000円、営業損益△2139万2000円
・2017年度:営業収益1億6688万5000円、営業費1億6945万1000円、営業損益△256万6000円
・2018年度:営業収益6678万円、営業費1億5644万8000円、営業損益△8966万8000円
・2020年度:営業収益5243万2000円、営業費1億7494万3000円、営業損益△1億2251万1000円
このように、2018年度に営業収益が約1億円も減少していることがわかる。しかし、この大幅な収入減は、乗客の減少が原因ではない。実は、2017年度までの営業収益の約3分の2を支えていたのは運行負担金だった。
2022年12月15日付けの中国新聞の記事によると、
「団地を開発した土地区画整理組合が支出した20億円の運行負担金を毎年1億円ずつ取り崩して運営に充てていたが、尽きた2018年度以降は年間赤字が1億を超えるようになった」
という。
つまり1998年に開業してから、運行負担金に頼ることのない健全な経営を実現できないまま、終焉(しゅうえん)を迎える運びとなった。ちなみに輸送人員は、次のとおりだ。
・2012年度:定期19万6000人、定期外16万9000人、合計36万5000人
・2020年度:定期29万1000人、定期外17万6000人、合計46万7000人
と、2020年度は2012年度と比較して約10万人も増加している。しかしながら、営業費用を賄うにはほど遠く、現行の運賃のままでは焼け石に水といったところだろう。