物流業界を支える新興ビジネス「トラック投資」とは? テレビCMでもおなじみ、気になる利回りはいかほどか

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ひとくちに企業やビジネスに対する投資といっても、その対象は多岐にわたる。そうしたなか、近年になって注目を集めている新たな投資対象に「トラック」がある。

4つのデメリット

デメリット(画像:写真AC)
デメリット(画像:写真AC)

 対してデメリットは以下が挙げられる。

1.取り扱っている投資会社が少なく商品化されているものも少ない。現時点では既述の通り「トラックファンド」と「モビリティファンド」だけである
2.日本国内で使用されるトラックという確実な投資先ではあるものの、運送業者の倒産といったデフォルトのリスクは避けられない
3.オペレーティングリースの場合、リース終了後に車両を中古車としての売却することを前提にリース金額を決める。そのため、中古車市場の変動で損益が生じるリスクがある
4.盗難、交通事故などのトラブルが起きた場合、保険金の支払いまで時間が掛かるとそのまま損益となるリスクがある。

 これらメリットとデメリットをそれぞれどのように評価するかで、この投資商品の客観的価値は大きく変わる。

 その評価結果は、当たり前のことだがあくまで投資家個々のそれまでの投資経験や投資そのものに対する考え方次第だろう。

今後は参入業者も増化か

物流トラック(画像:写真AC)
物流トラック(画像:写真AC)

 ただし、これはあくまで筆者(中島高広、モータージャーナリスト)の個人的な印象が、十二分に魅力がある商品ではないかと思える。

 その理由は、メリットと挙げたことはいずれもシステム的によく考えられ上で導き出されているということ。対してデメリットは、あくまで想定の枠外というべき不測のトラブルに起因していることが理由である。

 トラックを対象とするファンドは、リアライズコーポレーションのトラックファンドが最初に商品化されたのが2016年1月という、まだまだ新しい投資手段である。

 しかし、繰り返しになるが、日本の物流を資金的に支えるというその使命には意義がある。その上で現時点での配当も魅力的である。今後は商品に加えて参入業者も増えることが予想される。

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