「サブスクより中古車買う」 自動車メーカー悩む現実、専門業者参入で競争激化 今後の差別化戦略どうなる
サブスクvs中古車購入

また、今後は
・交通機関が充実しているから車は不要
・金額的に手が届かず所有する必要性も感じない
という、車に今まで興味を持っていなかった人たちに対しても、定額課金で解約や乗り換えが可能である点をアピールして、ユーザーとして囲い込めるかもしれない。
いずれにせよ、トヨタに限らず自動車メーカーは自社のサブスクサービスを通して、ユーザーに最新技術を搭載した新型車を提供できる。売れなくても、貸すことで自社製品のファンを増やしていけるのだ。
ここまで自動車のサブスクにおける業界メリットについて書いてきたが、ひとつ冷静になって考えてみよう。
新型車をサブスクで提供するとして、月々の支払いは定額とはいええど、数年単位で見ればまとまった金額に膨れ上がる。消費者としては中古車を購入して使ったほうが、トータルコストが安く済む場合もあるのではないだろうか。
中古車といっても状態や価格はさまざまなので一概にはいえないが、自動車メーカーによるサブスクのライバルとして、中古車は見過ごせない存在だと筆者(山下駿、自動車ライター)は考える。
第二のライバルは「専門業者」

中古車に加え、自動車サブスク専門業者も自動車メーカーの有力なライバルである。最新車種ではない代わりに、より安価なサブスクを提供する事業者が増えつつある。
例えば、ナイル(東京都品川区)が2018年にサービスを開始した「おトクにマイカー定額カルモくん」は、2023年1月に累計申込者数が15万人を突破した。トヨタのKINTOは1年遅れの2019年に始まったといえ、利用者数(5万人)で大きく水をあけられたことになる。
新型車やエコカーでなくても構わないと考える人も世間には多いため、こうした自動車サブスクの利用料の低価格化は、今後ますます加速するだろう。新規参入する事業者も増えていくことが予想される。
自動車メーカーの生き残りをかけたサブスク市場への参入だが、前途多難に見える。中古車市場という巨大なライバルが立ちはだかると同時に、サブスク市場においてもメーカーの独占は厳しい。そんななか、自動車メーカーは今後どのような対策を講じるべきなのだろうか。