観光の目玉は「ナチス建築」 負の遺産を活用したベルリン廃空港から学ぶ、公園以外の未来とは

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空港跡地の適切な利用方法とは。今回はベルリンを例に考える。

ベルリンの空港、2020年秋に「統一」

テンペルホーフ空港のターミナルビル正面。「ZENTRAL FLUGHAFEN」は中央空港の意味(画像:シカマアキ)
テンペルホーフ空港のターミナルビル正面。「ZENTRAL FLUGHAFEN」は中央空港の意味(画像:シカマアキ)

 空港の敷地は広い。地方ならあまり問題にならないが、都市部だと空港の拡張は難しい。そのため、以前は都市部にあった空港が拡張に伴って郊外へ移転するケースは、日本を含め世界中で見られる。

 ドイツの首都ベルリンでは、数年前まで

・テーゲル空港(北西部)
・テンペルホーフ空港(南部)
・シェーネフェルト空港(南東部)

の三つの空港が同時に運用されていた。

 テーゲル空港が主にドイツ国内線や国際線、シェーネフェルト空港が東欧路線や格安航空会社(LCC)、テンペルホーフ空港が小型機による短距離路線を扱うといった具合にすみ分けされていた。

 しかし、大国ドイツの首都でありながら三つも空港があると空港運営も分散し、航空需要は低迷。一方で、フランクフルトやミュンヘンがドイツの主要空港として発展した。

 現在、テーゲル空港とテンペルホーフ空港は廃港となり、2020年10月からシェーネフェルト空港の運用を引き継ぐ形で、隣接する場所にベルリン・ブランデンブルク空港が開港した。

 ベルリンの空港はやっと「統一」され、今後さらなる拡張に向けて開発が進められている。

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