中国BYDが欧州上陸 ノルウェーでSUV「唐」発売 戦略のカギはバッテリー?

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中国BYDが欧州に上陸。ノルウェーでSUV EV「唐(タン)」を発売した。バッテリーは形状を工夫したLFPリチウムイオン電池を採用。欧州進出にあたり選ばれた唐のスペックとBYDの戦略とは。

EV用バッテリーのトレンド

 EV用のリチウムイオンバッテリーは、大きく分けて三元系とLFPに分けることができる。三元系は、正極材にニッケルやコバルトを用いるもので、パナソニックやLG化学などが生産している。一方のLFPは、中国のバッテリーメーカーであるCATLやBYDが生産する方式だ。

 三元系は、エネルギー密度が高いメリットがあるが、レアメタル、特にコバルトが高価であり、また調達についても、原産地であるアフリカ・コンゴでの人権を無視した過酷な採掘環境などが問題になっており、コスト・生産量ともに不透明な状態だ。

 そこで注目されているのがLFPだ。正極材に希少な金属を使わないため比較的コストが低い。エネルギー密度が低いという厳しいデメリットはあるが、中国最大手のCATLや中国2番手のBYDが前述のような手法で課題をある程度解消した。テスラのイーロン・マスク氏も「近いうちに3分の2がLFPになる」とTwitterで言及したように、テスラ「モデル3」の上海ギガファクトリー生産車両でも、下位グレードのモデルにはLFPが搭載され、日本にも輸入されている。

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