中国BYDが欧州上陸 ノルウェーでSUV「唐」発売 戦略のカギはバッテリー?
BYDが展開する王朝シリーズ
唐という車名は、日本人にも馴染みがある名前だろう。BYDは同社の乗用車ラインナップを「ダイナスティ(王朝)」シリーズとして展開しており、中国の歴代王朝の名前を用いた漢、宋、元、秦といったモデルが存在する。
なかでも人気なのが、Dセグメントの高級セダン「漢(Han)」で、これもブレードバッテリーを搭載し、中国のEVセールスランキングでもトップ5の常連となっている。
そしてSUVの「唐(Tang)」は、中国国内で高級SUVとして人気を博すとともに、SUV人気の高い欧州の戦略モデルとして今回、EV比率の高いノルウェー向けに戦略モデルとして選ばれた。
また唐は、アウディのデザイン部長として知られたヴォルフガング・エッガー氏がBYDに移籍して手掛けたモデルとしても知られており、デザイン面においても高い評価を受けている。
ノルウェーでの販売体制
BYDはノルウェーでの販売開始にあたり、北欧最大の販売会社であるRSAとパートナーシップを結んだ。RSAは、国内の主要地域に拠点を置く43社のディーラーにおいて、従来どおりの高水準のセールス、アフターセールス、部品、サービスサポートを提供する体制を整えている。
またバッテリーの保証については、8年間/16万kmの延長保証を受けることができるとした。
関係者のコメント
RSAの最高経営責任者(CEO)フランク・ダンヴォルト氏は、「当社は、BYDとノルウェーにおける同社の純電気自動車戦略をサポートするという方面において非常に期待している」と述べ、「当社は北欧地域で最も定評のあるネットワークの一つを確立しており、北欧トップのサービスとカスタマサポートを提供している。当社は包括的なディーラー網を主な強みとしており、各ディーラーは、最高レベルのサービスバックアップの提供を第一としている。当社は、BYDのブランドを主要な自動車ブランドのポートフォリオに追加した」と述べた。
BYDヨーロッパ乗用車部門ディレクターのペール・ブルーガル氏は、「SUV『唐』のノルウェー市場への参入を公式に歓迎し1台目を顧客に提供したことは、欧州での販売戦略における重要な一歩だ。この市場における当社の目標は、常に顧客の期待を上回り、BYDオートのブランドが『顧客とつながっていること』を実証し、より多くの顧客セグメントに拡大することだ」と語った。
BYDヨーロッパのマネージングディレクター、イズブランド・ホー氏は、「どの国よりも電気自動車を採用しているノルウェーは、ヨーロピアンドリーム実現に最高な国といえる。BYDは、ノルウェーの人々と同様に、CO2排出量を削減し、すべての人にとって大気の質が向上できる未来を信じている。当社は、欧州市場に純電気自動車、ゼロエミッション車を供給することにコミットしている」と述べ、「顧客には、当社の車が最先端の技術と性能を備えていることを安心していただける」と語った。