製造コストは3分の1 バイドゥとアークフォックスの新型ロボタクシー「アポロムーン」は市場を変えるか

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バイドゥとアークフォックスが発表した新型ロボタクシー「アポロムーン」は、これまでの3分の1の製造コストを実現。今後拡大していくロボタクシー市場を牽引していくモデルとなるか注目だ。

5人乗りフル電動SUV「アポロムーン」を発表

バイドゥとアークフォックスによる次世代ロボタクシー「アポロムーン」(画像:Baidu)。
バイドゥとアークフォックスによる次世代ロボタクシー「アポロムーン」(画像:Baidu)。

 2021年6月、中国の検索エンジンサイト最大手バイドゥ(百度/Baidu)と、北京汽車グループ(BAICグループ)のEVブランドであるアークフォックス(極狐/ARCFOX)が、次世代ロボタクシー「アポロムーン(Apollo Moon)」を共同でリリースした。

 ロボタクシーとは自動運転レベル4以上の自動運転タクシーを意味し、ロボタクシー市場は2020年から2025年にかけて120.52%のCAGR(年平均成長率)で拡大すると予測され、2030年には380万台を超える市場規模に達すると見込まれている。この成長が特に著しいのがAPAC(アジア太平洋地域)で、特にバイドゥやDiDi(滴滴出行)といった中華系企業などがこの市場を主に牽引していくと予想される。

 アポロムーンの主な特徴は、価格・品質・技術・ユーザーエクスペリエンスの四つという。ロボタクシーの平均的な製造コストが150万元(約2550万円)であるのに対し、アポロムーンは48万元(約816万円)とその3分の1程度の製造コストを実現しているという。

 アポロムーンは、5人乗りのフル電動SUVで、車両プラットフォームは「アークフォックス・アルファT(ARCFOX Alpha-T)」を採用。アポロムーン向けにカスタマイズしたLiDARを1基、ミリ波レーダー5基、カメラ13台といったセンサー類を搭載し、演算ユニット冗長機能、故障検出器などを備えることで、信頼性の高い、ドライバーレスの完全自動運転を実現できるとする。

 ナビゲーションシステムにはバイドゥの「ANPロボタクシー(ANP-Robotaxi)」アーキテクチャを採用。これにより自動運転キットの重量削減を実現し、運転データを共有しながら信頼性の高い閉ループ情報エコシステムを形成できるようになり、5GリモートドライビングサービスやV2Xにも対応するという。

 その他、ユーザーエクスペリエンスの観点では、人工知能(AI)を用いた音声エージェントや、モバイルアプリによる温度調節、乗り降りの際の動的身分認証、後部座席の乗客の状態チェックなどといった機能を搭載するだけでなく、サンルーフがHMIディスプレイになっており、車両の状態確認や乗客と車両とのインタラクションに有効であるとする。

 アポロムーンは5年以上の運用サイクルを想定しており、信頼できるロボタクシー配車サービスを長期的に提供することによりモビリティ業界に革命を起こすことを目指しているという。アークフォックスとバイドゥは、今後3年間で1000台の「アポロムーン」を生産する戦略的提携を結び、バイドゥが北京、上海、広州、重慶、その他の都市で直近開始したロボタクシーによる配車サービスで使用されると予想される。両社はこのロボタクシーの量産提携が、ロボタクシーの大規模な商用化に向けた大きなマイルストーンの一つになるとしている。