なぜ日本のトラックには「更生タイヤ」が普及しないのか? 低い環境負荷&米国の普及率50%、背景にあったのは国内メーカーへの信頼感だった
便利なリトレッドタイヤの問題点

前述のリトレッドタイヤは本来もっと注目されていいはずだが、国内の販売に力が入れていない印象を受ける。新品ではないのが影響しているのか、再生品というイメージなのか、欧州や北米に比べて装着率は日本では低い。
米国内においてリトレッドタイヤの普及率は約50%を超えており、ヨーロッパでも特にドイツでは約40%を超えている。しかし、日本は約18%となかなか伸びない。価格も新品より安く、製造コストも新品タイヤを作るより低く抑えられ、CO2削減に貢献できるにもかかわらず、だ。
リトレッドタイヤの歴史は古く、1970年代には始まっている。トラックやバスはサイズや種類が少ないため、金型などの制作費用が少なくて済む。結果、タイヤメーカーがリトレッドタイヤを作り始めたものの、そのほとんどが海外向け製品になった。
トレッドを張り替えるだけなので、他メーカーのタイヤでも作れた。かつては
「タイヤの横はA社、パターンはB社」
というケースもあった。現在ではリトレッドに使える台タイヤ(摩耗したタイヤの基礎部分)についても、
・製造年
・パンク修復歴
・内部金属
のチェックを厳密に行うため、そのようなことはない。タイヤにもJIS規格が定められており、製品には不安はない。
あえて問題点を挙げれば、リトレッドタイヤには
「フロント(かじ取り用)に使用しない」
という装着時の注意点がある。
これには、2006(平成18)年に起きたリトレッドタイヤの破裂事故の影響がある。事故は、ラフタークレーン(走行とクレーン操作がひとつの運転席で行えるクレーン)の前輪にリトレッドタイヤと知らず装着して起きた。極端に摩耗していたことに運転者は気付かず、タイヤは破裂した。
同車両はこの事故の1か月前にもタイヤの破裂事故を起こしており。このときのタイヤも極端に摩耗していた。