JAL機の福岡空港「門限」 時間過ぎたら“北九州着陸”は賢明な判断か? バス・タクシー緊急確保の高すぎる壁とは
3月12日、朝日新聞がJALが今後、「門限」を過ぎたら北九州空港(24時間離着陸可能)に降りられるよう対応を改める方向で検討していると報道した。今後どうなるのか。
「門限破り」はめったに起きない

2月19日、22時以降は着陸が認められない福岡空港の「門限」によって、JAL331便が空港側から着陸を認められず、羽田空港に戻ったことが、インターネット上で大きな話題を呼んだ。
そして3月12日、朝日新聞がJALが今後、「門限」を過ぎたら北九州空港(24時間離着陸可能)に降りられるよう対応を改める方向で検討していると報道し、再び耳目を集めた。
ただ、筆者(戸崎肇、経済学者)は思う。そもそも「門限破り」はそうめったに起きることではない。今回の原因は関係者間のコミュニケーション不足であり、福岡空港で突然の事故が起こり滑走路が閉鎖された――といったような不可避のトラブルではない。
常時想定化のデメリット

さらに、天候不良によるダイバート(目的地変更)なら、天気予報を活用し余裕を持って、事前にホテルを手配するなどの対応ができる。今回のような
「緊急着陸を常時想定したような体制」
をわざわざ構築するのは、航空会社にとって経営的に「無駄」なコストとなる危険性を孕んでいる。
例えば、航空機を突然迎え入れることになった場合、旅客の世話だけでなく、当該機体の夜間整備を行わなければならない。よって、そのための体制(人員だけでなく、部品の取り置き)も考えなければならない。
非常時の取り扱いについて、ホテルとも契約する必要がある。もちろん、そのための労力もばかにならない。