北陸鉄道「石川線」「浅野川線」上下分離検討へ 古都・金沢で起きた路線維持の大ピンチ、地元協議会はバス転換視野も そうは問屋が卸さない現実とは

キーワード :
, , , ,
赤字が続く石川県の北陸鉄道石川線と浅野川線で、上下分離方式導入の検討が始まることになった。観光で人気の金沢市でさえ鉄路を維持できない事態は衝撃だ。

簡単にバス転換できない事情も

北陸鉄道のウェブサイト(画像:北陸鉄道)
北陸鉄道のウェブサイト(画像:北陸鉄道)

 さらに、野町~鶴来間の所要時間が現在約30分なのに対し、バス転換すれば最大44分になる。

 両線を走る車両の重要部検査ができるのは、石川線にある鶴来工場だけ。石川線を廃止すれば車両工場を新設しなければならない。

 自家用車の増加で金沢市内の交通渋滞が悪化する不安もあり、石川線だけを簡単にバス転換できない事情がうかがえる。

 上下分離方式が導入されるかどうかは今後の議論に委ねられるが、沿線自治体の財政力指数(基準財政収入額を基準財政需要額で除した数字で、1に近づくほど財政力が高い)は2021年度までの3年間平均で

・金沢市:0.88
・野々市市:0.83
・白山市:0.67
・内灘町:0.52

と沿線4市町とも全国市町村平均の0.50を上回っている。

 公共交通を自治体の責任で維持していくのか、それとも将来の人口減少を見越して早めに見切るのか。金沢市など4市町の姿勢が試されている。

全てのコメントを見る