北陸鉄道「石川線」「浅野川線」上下分離検討へ 古都・金沢で起きた路線維持の大ピンチ、地元協議会はバス転換視野も そうは問屋が卸さない現実とは
赤字が続く石川県の北陸鉄道石川線と浅野川線で、上下分離方式導入の検討が始まることになった。観光で人気の金沢市でさえ鉄路を維持できない事態は衝撃だ。
協議会はBRT転換も検討の構え

2019年度の年間利用者数は石川線が約125万人、浅野川線が約180万人。1km当たりの1日平均旅客輸送人員を示す輸送密度は2019年度、
・石川線:1882人
・浅野川線:3749人
となっている。JR北海道やJR四国などの過疎路線に比べると、まだ一定の利用者がある。
このため、協議会は大量輸送機関としての役割を果たしうると位置づけ、2023年度に上下分離方式導入の是非について議論する方針。ただ、輸送密度の低い石川線についてはバスやバス高速輸送システム(BRT)転換も検討する構えだ。
これに対し、北陸鉄道は両線一体での上下分離方式導入を求めている。石川線の朝ラッシュ時の利用者数は250人を上回り、冬場の降雪時には400人近くに達する。バスの乗務員は慢性的な不足状態で、北陸鉄道は他の路線を減便しなければバス転換で全員を輸送するのが困難と見ているからだ。