製造コストは3分の1 バイドゥとアークフォックスの新型ロボタクシー「アポロムーン」は市場を変えるか

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バイドゥとアークフォックスが発表した新型ロボタクシー「アポロムーン」は、これまでの3分の1の製造コストを実現。今後拡大していくロボタクシー市場を牽引していくモデルとなるか注目だ。

ロボタクシーの配車サービスに大きく影響?

 ロボタクシー市場の主要プレイヤーと言えばグーグル傘下のウェイモや、ウーバー、リストといった米国勢が有名であるが、バイドゥやDiDiといった近年の中国勢の進化も目覚ましい。今回発表された「アポロムーン」はロボタクシーを活用した配車サービスの大衆化において、間違いなく大きな影響を与え、牽引役となっていくのではないだろうか。

 バイドゥは2000年に設立され、中国・北京に本社を構える中国最大手のインターネット関連サービス・製品および人工知能(AI)を専門とする中国の多国籍技術企業である。検索エンジンサービスの「百度(Baidu.com)」が有名で、中国において市場シェア70%以上を持ち、世界でもグーグル、マイクロソフトに次いて3位の市場シェアを誇る。

 2017年には自動運転車両の開発を支援する自動運転プラットフォーム「アポロプロジェクト(Apollo Project/Apolong/阿波羅)」を発表。2021年7月現在は、トヨタ、ホンダ、フォード、フォルクスワーゲン、ダイムラー、BMWなどの自動車メーカーや、ボッシュ、コンチネンタル、ZFなどの自動車サプライヤー、グラブなどのMaaSプレイヤー、自治体・大学などを含む176社の企業が参画している。また現在は自動運転に関する2900の特許と244の公道試験ライセンスを取得しており、一日におよそ地球一周分に当たる4万kmのペースで、年間1200万km以上のテスト走行を行っているという。

 2017年には「アポロファンド(Apollo Fund)」を100億元(約1700億円)で設立し、3年間で100件の自動運転プロジェクトに投資するとし、また同年には自動車メガサプライヤーであるボッシュおよびコンチネンタルと、自動運転・コネクテッドカー領域での業務提携も発表しており、自動運転に対して積極的に取り組んでいる。

 アークフォックスは、北京汽車集団(BAICグループ)傘下のEVメーカーである。2017年にカナダのメガサプライヤーであるマグナと共同で設立され、ブランドおよびコンセプトカーのワールドプレミアが2019年のジュネーブモーターショーで行われた。

 BAICグループは、中国の「ビッグ5」と呼ばれる5大汽車集団(第一汽車/FAW、上海汽車/SAIC、東風汽車/Dongfeng、長安汽車/Changan、奇瑞汽車/Chery)のうちの一つで、主に乗用・商用車、大型・小型トラック、軍用車両などの特装車の生産を行っており、外資系企業ではダイムラーおよび現代自動車と合弁企業を設立している。

 2017年にBAICグループはバイドゥと自動運転領域での戦略的パートナーシップを締結し、2019年頃に自動運転レベル3車両の量産、2021年頃には自動運転レベル4車両の量産を目標に掲げ、今回の発表がまさにその目標が計画通り進んでいることを明らかにした格好だ。