自動運転時の事故はアルゴリズム製作者の責任? 変わる「運転者」の概念 法整備の行方は

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クルマの自動運転で事故が起きたら、誰が責任を負うのか。自動運転普及の“前夜”である今、その論点を整理すべく、SIPが「自動運転時の責任問題に関するセミナー」を開催。現状と今後の法整備などについて意見が交わされた。

システムへの過信は事故を招きかねない

自動運転レベル3を型式取得したホンダの新型「レジェンド」。高速道路で渋滞時にシステムが運転操作を行う「トラフィックジャムパイロット(渋滞運転機能)」機能を搭載。
自動運転レベル3を型式取得したホンダの新型「レジェンド」。高速道路で渋滞時にシステムが運転操作を行う「トラフィックジャムパイロット(渋滞運転機能)」機能を搭載。

 人か、システムか。クルマの自動運転で事故が起きたら、責任はどこにあるのか――。

 自動運転レベル3の型式指定を初めて取得したホンダ「レジェンド」が、2021年3月に登場した。クルマの自動運転は「未来の技術」としてとらえられ、自動運転時の事故も、多くは「もしも」の文脈で語られてきたが、もはやその段階は終わり「現在進行形」の事柄に変わってきている。

 技術の進歩とともに法整備も進んでいるが、自動運転時のドライバーの責任はどのように考えればよいのか。

 システム開発や運転のときに直面するであろうこの問題について解説するSIP-adus社会受容性向上イベント「自動運転時の責任問題に関するセミナー」が2021年6月24日(木)、オンラインで開催された。

 講師として、警察庁長官官房参事官(高度道路交通政策担当)の牧野充浩氏と、法政大学大学院法務研究科教授で弁護士の今井猛嘉氏が登壇。司会は国際モータージャーナリストの清水和夫氏が務めた。

 牧野氏は、2020年4月1日施行の改正道路交通法を中心に解説。自動運行装置を使用して運転している運転者の義務については、装置から運転引き継ぎのサインが出たときは、運転者はただちにそれを認知して自力で確実に運転できる状態にある必要があるため、現行法令は「運転者の存在を前提とした自動運転」として設計されていることを強調した。

 その上で、システムを過信したり、安全運転支援システムを「自動運転」と勘違いしたりすることによる事故が発生していることから、運転者に注意喚起することが大事だと指摘。過信は事故を招きかねないことから、システムの性能と限界を認識してもらい、注意義務があることを改めて意識してもらうことが必要だという見解を示した。