「お前の代わりはいくらでもいる」 下請け運送業者のプライドを奪う荷主に突き刺さる、「2024年問題」という名の鋭角ブーメラン
下請け企業が発注元から、価格転嫁や価格交渉を巡って、「代わりはいくらでもいる」と言われてしまうことがあるようだ。発言の問題点を考える。
「脱同一視」という防衛反応

では、心理学の面から「代わりは…」発言を考えてみよう。
「(おまえの)代わりはいくらでもいる」は、言ってみれば存在価値の否定なので、なかなかキツい言葉だ。運送業界には社長自身もドライバーをやっているような零細企業が多く、そういう企業ほど買いたたかれやすいので、こういう言葉はこたえる。
心がダメージを受けた時、あるいは受けそうになった時には、心は防衛反応をする。低い評価や否定的評価を受けた時には、「脱同一視」と呼ばれる防衛反応が起きる。この場合、荷物を運ぶという「仕事」に対して否定的評価をされたので、「仕事の価値」と「自分自身の価値」は無関係だと考えるようになる。これが脱同一視である。
脱同一視は自尊心の防衛には有効だが、自分の価値と関係のない仕事は一生懸命やっても仕方ないので、仕事がおろそかになったり、事故リスクが増したりする。つまり、誰かの仕事に対して否定的評価をぶつけることは、その人の仕事のクオリティーや安全性を下げてしまうことになるのだ。