「お前の代わりはいくらでもいる」 下請け運送業者のプライドを奪う荷主に突き刺さる、「2024年問題」という名の鋭角ブーメラン
下請け企業が発注元から、価格転嫁や価格交渉を巡って、「代わりはいくらでもいる」と言われてしまうことがあるようだ。発言の問題点を考える。
迫る「2024年問題」

最初に筆者(島崎敢、心理学者)がトラックドライバーをしていた時期の経験を紹介する。
筆者がトラックドライバーをしていた頃は、トラックは稼げる仕事だった。今では考えられない話だが、一度出社してトラックに乗ったら、何日も家に帰らずにトラックの中で寝泊まりし、荷物を降ろしたら会社に次の指示を仰ぎ、言われた所に行ってまた荷物を積む繰り返しだった。
空き時間もあったが、遠方で空き時間があっても家には帰れない。空き時間を使って一般道を走り、高速代を浮かせば、浮いた高速代の大部分も給料に反映してくれた。大学を出てすぐ長距離トラックに乗り始めた筆者は、他の企業に就職した同級生の3倍以上の手取りをもらっていた。
おかげで大学院への進学資金もしっかりたまり、今では学位を取って、大学で心理学などを教えているわけだが、トラックドライバーが「ブラック」な働き方をしていたのは過去の話。今ではトラックドライバーの「ホワイト化」が進んでいるらしい。
これは、労働環境改善や交通事故リスクの削減という意味では素晴らしいことだろう。一方で、筆者のように「とにかく短期間でたくさん稼ぎたい」という人は、もはやトラックドライバーを選ばなくなっている。
2024年4月からは、トラックドライバーの時間外労働が年間960時間以内に制限され、さらにホワイト化が進む。一方、運ばなければいけない荷物はむしろ増えている。いわゆる「2024年問題」の発生が懸念されている。ただでさえ労働人口が減っているのに、2027年にはドライバーが24万人も不足するという試算もある。