「サボって買い食いするな」 休憩中の救急隊員に浴びせられる中傷の数々、“制服仕事”を標的にするのは卑怯だ
救急隊への心ないクレームが各地の自治体や消防署に寄せられている。彼らのような「制服」仕事は標的となりやすいのだ。
救急車に掲示されたプレート

冒頭で紹介した川崎市消防局ではさらに「救急隊員イート&ドリンクタイム」というプレートを休憩時に救急車に掲示している。
「食事や水分補給、トイレをお借りしております。御理解、御協力をお願い致します」
という内容で、同様のプレートは兵庫県尼崎市でも「水分補給中」、千葉県の消防組合でも「ただいま水分補給中です」と車外から見えやすいところに掲示している。
筆者は思う。なぜこのようなことをしなければならないのか、重ねるが本当に申し訳なく思う。食事や水分補給、休憩など人として当たり前の話で、それをとがめるような人々は何を考えているのか。
まったく理解できないが、それでも一定数、この国に存在するからこそ、日本中の救急隊が飲み水すら「ご理解とご協力」を常にお願いして飲まなければならない。
「サボってる」
「早く次に行け」
「こっちは税金を払ってるんだ」
という一部の「声」によって。兵庫県神戸市は「救急隊員の水分補給について」として、
「近年、救急需要は高まり、市内で1日300件以上出動する日もあります。これは6分に1回のペースで出動する計算になります。そのため、出動が連続するなどで、休憩時間が確保できなかった場合、救急車でコンビニや自動販売機に立ち寄り、飲料水を購入することがあります。その際も、出動態勢は維持していますので、ご理解のほど宜(よろ)しくお願い致します]
このように市のサイトで呼びかけている。