「サボって買い食いするな」 休憩中の救急隊員に浴びせられる中傷の数々、“制服仕事”を標的にするのは卑怯だ
救急隊への心ないクレームが各地の自治体や消防署に寄せられている。彼らのような「制服」仕事は標的となりやすいのだ。
コンビニ店員からも支持の声

総務省消防庁の「令和3年中の救急出動件数等(速報値)」によれば、2021年の救急出場は619万3663件、搬送人員549万1469人と対前年比でいずれも増加となった。出動要請の増加は救急隊員を疲弊させ、ついには2022年12月、東京都昭島市で連続17時間勤務の末に搬送後の救急車が中央分離帯に衝突、横転する事故も起きた。
まさに命がけで私たち国民のために従事している救急隊員、「それが仕事だろ」と突き放すのは勝手だが、食事どころか飲み水までクレームに気を使わなければならない社会はやはりおかしいと思う。
後日、病院内に併設されたコンビニの店員に話を聞くと、
「(救急隊の人は)ペットボトルのお茶とか、パンとか買いますね。車内ですぐ食べて戻る感じで、大変そうです」
とのことで、別の都下の院内コンビニでも、
「周りの目を気にしてるかはわかりませんけど、簡単な食べ物を買ってすぐ出ていきますね。もっとちゃんとしたものを食べてほしいと思いますし、文句どころか「いつも助けてくださってありがとうございます」ですよ」
という声があった。
コンビニとはいえ医療施設の一部となっているため、エッセンシャルワーカーとして店員の意識も高い面はあろうが、まったくその通りだ。2022年にはさいたま市などで
「食事や給水をさせてほしい」
「コンビニを使わせてほしい」
「トイレに行かせてほしい」
と救急隊側が会見を開く事態も各地で散見されたが、そうさせてしまう社会はとても恥ずかしい。