秘境路線「只見線」が11年ぶりの全線復旧 活性化にはオープンアクセス採用が必要だ
絶景を楽しめる“秘境路線”としても知られる只見線が全線復旧した。その活性化策を提案する。
「会津若松の近郊区間」へ脱皮を

只見線を活性化させる上で重要な点として、会津若松~会津坂下間の活性化が挙げられる。この区間には、1時間に1本の頻度で福島交通の路線バスが運行されるだけでなく、朝夕のラッシュ時は、慢性的な道路交通渋滞が発生している。
それにもかかわらず、只見線の会津若松~会津坂下間は、3~4時間に1本という運行頻度しかなく、会津若松地区の通勤・通学に貢献していない。
今後は、列車交換設備の増設や軌道強化を行い、最高運転速度を85km/hへ向上させ、1時間に1本の運行頻度を確保するように、福島県もJR東日本が設備投資を行いやすくするため、投資に対しての補助を実施したい。利用者を増やすため、モビリティマネジメントも実施して、通勤者の交通行動を、自家用車から只見線へ変化が生じさせるような政策も重要といえる。
「只見線=過疎地のローカル線」と決めつけるのではなく、会津若松~会津坂下間は、通勤・通学路線として潜在的な需要があるため、会津若松の近郊区間へと脱皮を図ることが可能な区間であり、それに向けた取り組みが必要である。