秘境路線「只見線」が11年ぶりの全線復旧 活性化にはオープンアクセス採用が必要だ

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絶景を楽しめる“秘境路線”としても知られる只見線が全線復旧した。その活性化策を提案する。

只見線を活性化するには?

只見線(画像:写真AC)
只見線(画像:写真AC)

 ここから、筆者(堀内重人、運輸評論家)の提案である。今後は、只見線を観光路線として活性化させる必要があり、新潟・山形両県を走る列車「海里」などで使用される高出力・高アコモ気動車を用いて、観光急行「奥只見」として、会津若松~越後湯沢間で運転させたい。只見線を活性化させるとなれば、福島県側だけでなく、新潟県側からのアクセスも重要であり、越後湯沢で新幹線とのアクセスは不可欠である。

 JR東日本にやる気がなければ、京都丹後鉄道を運行するウィラートレインズを参入させ、観光列車を運行させる方法がある。2000年3月に鉄道事業法の規制緩和が実施され、鉄道事業を安全かつ安定して行える事業者に関しては、市場への参入が可能となる「許可制」に、規制が緩和されている。

 例えば、東急電鉄は、子会社の伊豆急が所有する「Royal Express」を使用して、夏季に北海道でクルーズトレイン的な運行を行っている。この場合、JR北海道は自社の線路を貸しており、線路使用料が入ることになる。これは「オープンアクセス」である。

 福島県や沿線自治体も、只見線の活性化や地域づくりに関心が高く、「地域づくり」を実施したいウィラートレインズとは、波長が合致する。

 会津川口~只見間は、インフラは福島県が所有するが、それ以外の区間はJR東日本が線路を所有しているため、ウイラートレインなどが観光列車の運行で参入したならば、JR東日本には線路使用料が入るだけでなく、福島県にも会津川口~只見間の線路使用料が入る。観光急行以外に、春から秋まではトロッコ列車の運転も、只見線の活性化につながる。この場合、定期のローカル列車に増結して対応すれば、低コストで実施が可能である。

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