テスラ株70%下落の衝撃 やはり「ばかげた過大評価」の声は正しかったのか

キーワード :
, ,
テスラの株価が下落している。2022年の第4四半期に入ると急激に減少。12月27日(現地時間)の終値は109.10ドルと、52週最安値となった。

残ったツイッター社買収の傷跡

イーロン・マスクのツイート。「テスラの株主が長期的にはツイッターから利益を得られるようにする」とつぶやいた(画像:ツイッター)
イーロン・マスクのツイート。「テスラの株主が長期的にはツイッターから利益を得られるようにする」とつぶやいた(画像:ツイッター)

 テスラに限った話ではないが、EV販売を取り巻く環境が決してバラ色ではないことは明らかであるが、さらにテスラの置かれている状況を悪化させているのが、テスラのイーロン・マスクCEOによるツイッター買収だ。

 イーロン・マスクCEOは、2022年10月下旬に総額440億ドルでツイッター社の買収を終えるやいなや、ツイッター社のCEOに就任した。以降、半数以上の社員の解雇、長時間労働の要求、トランプ前大統領のアカウント復活、自身を取材する記者のアカウント停止、さらにはツイッター社CEOの辞任表明など、テスラとは関係のない場面で、さまざまな話題を振りまいてきたのは記憶に新しい。

 この一連の騒動で、

「マスク氏はテスラを見捨てた」
「マスク氏はテスラをATM(現金自動預払機)と勘違いしている」

など批判が相次いだ。また、イーロン・マスクCEOもツイッター社の買収に関連して、ここ1年で4回テスラ株を売却しており、依然として筆頭株主には違いないが影響力が薄まるのではないかと見られている。

 結局のところ、

・EV販売競争の激化
・エネルギー価格の高騰
・先行きが不透明な景気

など不安材料が多いなか、イーロン・マスクCEOはツイッター社買収によりテスラというブランドや期待感を損ねただけではないだろうか。イーロン・マスクCEOが残した、

「テスラの株主が長期的にはツイッターから利益を得られるようにする」

というツイートからは、テスラの将来像が全く見えてこない。

全てのコメントを見る