テスラ株70%下落の衝撃 やはり「ばかげた過大評価」の声は正しかったのか
テスラの株価が下落している。2022年の第4四半期に入ると急激に減少。12月27日(現地時間)の終値は109.10ドルと、52週最安値となった。
消えたEV先駆者のうまみ

ここで、テスラの販売台数の推移を見てみよう。
・2021年 第1四半期決算:18万4877台
・2021年 中間決算:20万1304台
・2021年 第3四半期決算:24万1391台
・2021年 本決算:30万8650台
・2022年 第1四半期決算:31万48台
・2022年 中間決算:25万4695台
・2022年 第3四半期決算:34万3830台
・2022年 本決算:40万5278台
2022年第2四半期は、サプライチェーンの問題や上海工場の閉鎖により生産台数が落ち込んでいるものの、総じて順調に生産を拡大している。
しかし、電気自動車(EV)戦国時代に突入し先駆者としてのうまみはなくなったと指摘する専門家もいる。確かにテスラは、少し前まであればEVの代名詞的な存在だった。
今日では自動車メーカー各社が、競争力のあるEVを販売しており、テスラの苦戦は自然な流れともいえる。また同じセグメントであれば、価格の安い中国の自動車メーカーが台頭してきた点もテスラの置かれている環境を厳しくしている。
加えて、テスラ苦戦の理由として、昨今の電気料金の高騰も挙げられている。特にヨーロッパでは、電気料金が法外に高くなっており、長期的にはEVが普及するのであろうが、現時点ではあまりメリットを感じられていない。
確かに、テスラの強みや将来性が以前より見えにくくなっており、過剰な期待感に対する反動として余計に目立っているのかもしれない。