テスラ株70%下落の衝撃 やはり「ばかげた過大評価」の声は正しかったのか

キーワード :
, ,
テスラの株価が下落している。2022年の第4四半期に入ると急激に減少。12月27日(現地時間)の終値は109.10ドルと、52週最安値となった。

向かい風になる中国補助金廃止

EV(画像:pixabay)
EV(画像:pixabay)

 EV販売の大きな市場である中国の景気後退や新エネルギー車購入に対する補助金の廃止も、マイナス要因のひとつだ。もちろん、補助金の廃止の影響はテスラだけに限ったものではない。中国のEVメーカーであるNIOの李斌最高経営責任者(CEO)も、

「2023年の上期には厳しい状況に直面し、中国での新エネルギー車の需要が損なわれる」

と述べている。

 中国の景気後退は、既に海外の自動車メーカーの業績を直撃しており、テスラは2022年の秋から年末にかけて、モデルによるものの最大9%の値下げを中国国内で実施していた。この割引の効果により、11月に10万291台のEVの納入につながった。

 2022年秋に中国で値引きを実施したのはテスラだけでない。BMW、メルセデス・ベンツも値引きを行っていた。メルセデスEQSは19%、BMWにいたってはi3を30%も割引したという報道も見受けられた。

 テスラだけでなく中国や欧米の自動車メーカーにとって、ここしばらくは厳しい状況となる中国市場も、向かい風には違いない。