自動運転の「事故責任」は誰にある? 世界で多発する事故に見る安全性の行方とは
現在話題となっている「自動運転」。一見、ユーザーにとって便利で安全そうに見えるが、実際は多くの衝突事故が発生している。
事故は誰の責任なのか
自動運転での事故の責任問題だが、日本の法律にのっとった議論が今もなお繰り広げられている。
2016年に国土交通省が設置した「自動運転における損害賠償責任に関する研究会」から発表された、自動運転による事故の責任についての報告を見てみよう。
その報告によれば、特定の条件下であればドライバーの運転操作が必要なくなる自動運転レベル4までの事故はドライバーの責任に。自動運転レベル5の責任の所在に関しては、まだ検討中とされている。また自動運転レベル3、4についてはシステムの不具合が起きた場合、
「自動車メーカーに責任を求めるべき」
と結論づけられた。
ほかにも自動運転による事故で「保険の適用がされないのでは」 といった議論も。やはり自動運転が普及していけばドライバーの過失だけでなく、システムの誤作動なども考慮しなくてはならないため、今後は従来の商品とは異なった形の保険が開発されていくだろう。
実際のところ安全なのか
自動運転は実際のところ安全なのか、についてだが、結果としてまだまだ発展途上でもあるため、「今のところは安全性は伴っていない」と見るべきなのかもしれない。
世界や日本の自動運転による事故を見ると、安全確認や周囲への注意を怠った人にも責任は十分にある。そう考えれば完全自動運転車である自動運転レベル5に到達するまでは、まだ時間が掛かると見た方がいいだろう。
今後自動運転が日本でも普及していくといわれているが、大前提として「自動運転でも事故が起こる可能性がある」「普通の車と同様に周囲への注意やメンテナンスが必要」といった認識が必要に。自動運転だから安全と過信せずに、責任は常にドライバーにあると頭の片隅に入れておかなければならない。