赤字ローカル線を活性化させたければ「ハイブリッド気動車」を導入するべきだ
JR東海が、ハイブリッド方式のHC85系気動車を2022年7月1日から特急「ひだ」で利用開始している。いったいどんな効果があるのか。
日本に有益なバイオ燃料

さらにハイブリッド気動車の重要な点として、HC85系気動車がバイオ燃料で走行が可能である点が挙げられる。
かつて兵庫県小野市の粟生から加西市の北条町までを繋ぐ北条鉄道が、菜種油100%で自社の気動車の試験運行に成功している。JR東海のHC85系気動車は、ミドリムシを原料としてバイオ燃料を得ている。ミドリムシは、日本の河川や池などに生息しているため、入手が容易である。産業らしい産業がない自治体にとっては、バイオ燃料の製造で新規雇用が生まれる。また過疎化を食い止めるだけでなく、新たな収入源を確保できる。
ミドリムシを原料にしたバイオ燃料は航空機でも使用できる。ただ、船舶では水の抵抗が空気抵抗の10倍もあり、航空機より強力な推進力を必要とするため、バイオ燃料では対応が難しい。
北条鉄道は菜種油を使用したバイオ燃料で気動車の走行試験に成功しているが、それが普及しないのは、大量に安く、安定して入手することが難しいからだ。ミドリムシを原料としたバイオ燃料が、大量に安く、安定して製造が可能となり、鉄道や航空機などで使われるようになれば、自国で燃料が賄えて有事の際にも困らなくなる。
それらを加味して考えると、HC85系気動車の登場は鉄道界だけに限らず、今後の日本の進むべき進路を示しているのだ。