新京成電鉄が「新年ヘッドマーク電車」に高校生を起用するワケ
地域密着を図る新京成電鉄

新京成電鉄は1947(昭和22)年12月27日に新津田沼(現在は別の所在地に移転)~薬園台間2.5kmが開業してから75年を迎えた。現在は松戸~京成津田沼間26.5kmを結び、松戸市に8駅、鎌ヶ谷市に5駅、船橋市に9駅、習志野市に2駅を構える。
鉄道事業では、千葉ロッテマリーンズの選手たちが車体にラッピングされ鉄路を躍動するマリーンズ号、日本対がん協会のピンクリボンフェスティバルの趣旨に賛同した新京成ピンクリボントレイン、プロバスケットボールの千葉ジェッツふなばしを応援するジェッツトレイン、子供たちが描いた絵で装飾した新京成ドリームトレインをそれぞれ運行し、“恒例行事”として定着している。
このほか、2009(平成21)年度より新年ヘッドマークの掲出を開始。当初は外注制作によるものを掲げていたが、2018年度からは新京成線沿線の高校に在学する高校生が描いたものを掲出している。新京成電鉄と高校がタイアップすることで、沿線地域の学校と交流を深めること、高校生らしい思いの詰まったヘッドマークを掲出することで、地域社会の活性化を目指している。
高校については新京成電鉄が選定して依頼したあと、学校側で大役を務める生徒を決める。無論、新京成線沿線外に在住する生徒でもよい。
2018年度は千葉県立船橋二和(ふたわ)高校美術部(最寄り駅は二和向台)、2019年度は千葉県立鎌ヶ谷西高校美術部(最寄り駅は元山)、2020年度は千葉県立松戸高校芸術科(最寄り駅は松戸新田)、2021年度は千葉県立津田沼高校美術部(最寄り駅は京成津田沼)が務めた。
これにより、新京成線沿線の船橋市、鎌ヶ谷市、松戸市、習志野市を一巡し、2022年度は船橋市の千葉県立船橋北高校美術部(最寄り駅は三咲)が務める。ちなみに新京成電鉄の社員の多くが船橋北高校を卒業したという。