読めば旅情たっぷり 「鉄道紀行」がすっかり衰退したワケ

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かつて盛んだった鉄道紀行だが、ローカル線や夜行列車が衰退の一途をたどった。往年を振り返る。

読者が同行した鉄道紀行も

種村直樹『鈍行最終気まぐれ列車 1970-80懐かしの汽車旅へ:種村直樹傑作選』(画像:実業之日本社)
種村直樹『鈍行最終気まぐれ列車 1970-80懐かしの汽車旅へ:種村直樹傑作選』(画像:実業之日本社)

『時刻表2万キロ』発売後、宮脇氏は1978(昭和53)年10月13日から12月20日まで気宇壮大(きうそうだい。心意気が雄大であること)な旅をやってのけた。北海道の広尾線広尾から鹿児島県の指宿枕崎線枕崎まで、1万km以上にも及ぶ最長片道きっぷである。この模様は1974年10月に『最長片道切符の旅』(新潮社刊)が発売された。

 宮脇氏はこの旅を実行する前、毎日新聞社の記者を1973年に退職し、フリーランスに転じた種村直樹氏のもとへ足を運ぶ。1978年10月2日に武蔵野線新松戸~西船橋間が延伸開業するのに伴い、最長片道きっぷのルートが変わるかどうかの確認であった。種村氏の「変わりますよ」の即答に安堵(あんど)した宮脇氏は、9月30日に山手線渋谷駅で最長片道きっぷを購入した。

 その種村氏も鉄道紀行の著書を次々と世に送り出し、宮脇氏とともに双璧をなす存在となってゆく。

 代表的なものがふたつあり、ひとつ目は1980年代から2000年代にかけて徳間書店から刊行された「日本縦断シリーズ」と銘打つ乗り継ぎの旅。さまざまな列車に乗り継ぎ、趣旨にまつわるチェックポイントに立ち寄るというもの。

 ふたつ目は1980年に東京の日本橋を出発し、全国の列車、路線バス、巡航船など海岸線に沿って反時計まわりに進み、日本橋に戻るという「日本列島外周気まぐれ列車」だ。種村氏が「ライフトラベル」と銘打つもので、当初は著書の『気まぐれ列車』シリーズ(実業之日本社)に収録していた。

 1983年から『旅と鉄道』誌(当時、鉄道ジャーナル社刊。現在は天夢人が刊行)に掲載され、上記の著書に転載するカタチをとった。仕事の合間に実施したこと、鉄道がほとんどない日本全国の離島にも足を踏み入れるなど、細かい旅という性格上、完結したのは2009(平成21)年である。

 いずれも種村氏の読者と行動をともにするのが特徴で、“種村軍団の旅”ともいえる(注:読者は全行程の参加、1日だけの参加などさまざま)。

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