中国製ドローン禁止令なぜ? 国産メーカーは風に乗れるか 求められる性能とコスパ

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災害対応やインフラの点検で、ドローンの活用が急速に広まっている。その多くが中国製というなかで、日本政府は事実上の中国製ドローン排除を打ち出し、各者が対応に迫られている。一方で国内メーカーは、この追い風に乗れるのだろうか。

「禁止令」消防防災対応の障害に?

最大ペイロードが25kgに達する「D-HOPE III」(竹内 修撮影)。
最大ペイロードが25kgに達する「D-HOPE III」(竹内 修撮影)。

 この「方針」は、政府機関による中国製ドローンの新規調達を事実上排除するもので、地方自治体や消防本部などが運用するドローンの新規調達の排除には言及していないものの、筆者(竹内修:航空ジャーナリスト)は、中央官庁が地方自治体などに対して、中国製ドローンの新規調達を控えるよう示唆したという話もいくつか耳にしている。

 欧米諸国や日本などの公的機関による中国製ドローンの新規調達を排除する動きを受けて、中国製ドローンを扱う企業も対策を講じ始めている。中国のHARWARが開発した多用途ドローン「D-HOPE」シリーズを販売している株式会社センチュリー(東京都台東区)も、そんな企業のひとつだ。

 D-HOPEシリーズで最も大型の「D-HOPE III」の最大ペイロード(荷重)は25kgに達する。HARWARはこの大きなペイロード重量を生かして、浮き輪を投下する水上緊急救助用モジュールのほか、救援物資や液体消火弾、消化剤といった消防救助用搭載モジュール、物資輸送モジュールなどの多彩な装備品も開発し、消防防災機としての活用も提案しており、災害対策にあたる組織からも注目を集めている。

 このD-HOPEシリーズの消防防災への活用にあたって、中国製ドローン排除の動きが障害となる可能性もある。このためセンチュリーは2021年5月以降、国内大手電機メーカーにD-HOPEシリーズの製造と保守を委託し、また機体の飛行ログやデータなども国内管理とすることで、日本市場での生き残りとシェア拡大を図っている。

 日本製のドローンやUAS(無人航空機システム)は、中国のDJIやフランスのパロットのような量産体制を構築できていないため価格が高い。また既に中国製ドローンで運用体制を確立している組織も多いことから、地方自治体などのドローンの新規調達に政府の方針がどの程度反映され、国内メーカーのシェア拡大につながるのかは、いまだ不透明な状況にある。このため国内ユーザーの要求に応える製品を開発することで、価格競争力や採用実績の不足を補おうとする企業も現れている。

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