270人死亡 「パンナム機爆破事件」で世界の保安検査はどのように変わったのか

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先日、パンナム機爆破事件の容疑者がFBIに拘束された。34年前のこの事件を振り返るとともに、現在の対策を考える。

荷物検査を怠ったことが原因

手りゅう弾(画像:写真AC)
手りゅう弾(画像:写真AC)

 今回の報道で、米国がその後も関係者の捜査を続けていたことが明らかになったわけだが、この事件で最も大きな影響を受けたのは、被害にあったパンアメリカン航空だった。

 米国のフラッグキャリアだったパンアメリカン航空は捜査の過程で、荷物検査を怠り

「旅客と荷物の一致」

という原則を無視していたことが発覚、幹部が有罪判決を受けた。同社は1991年に破綻したが、事件による経営悪化も一因とされている。

 またプラスチック爆薬が、従来のエックス線検査では入念にチェックしても発見できないという懸念が広がったため、世界の航空業界を震え上がらせた。プラスチック爆薬の危険性については、1987年の大韓航空機爆破事件で航空機爆破テロに利用されることが分かっていた。

 ところが、当時の対処法は出発と到着を分離して両者(旅客、荷物)が接触できないようにすることなど、ごく初歩的なものに限られていた。当然、搭乗客に対してはエックス線や金属探知機を使った検査も行われていた。ただ、日本国内でも1986年10月にマニラ発大阪空港行きのタイ航空機で、暴力団員が機内に持ち込んだ手りゅう弾が爆発し、あわや大惨事となる事件も起きている。このことからも、30年以上前の保安検査の水準は現在からすると、かなり“ザル”だったのがわかる。

 そうしたなか、パンナム機爆破事件にも使われたプラスチック爆薬「セムテックス」は少量高性能で効果を発揮することから、1991年5月のインドのラジブ・ガンジー元首相暗殺事件、1992年4月のロンドンのアイルランド共和軍(IRA)による爆破事件を始め、世界各国で多く使われた。

 これを受けて、世界の主要空港ではプラスチック爆薬を探知できる検知器の導入が急速に進んだ。

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