最強パワーボート兼最高級クルーザー！ 米レイクタホで余生を過ごす伝説の「サンダーバード」をご存じか
アメリカ西海岸の観光地、レイクタホに、建造から80年余りたつマホガニーウッド製大型クルーザー「サンダーバード」がある。その歴史を紹介する。
1940年に「誕生」
アメリカ西海岸、サンフランシスコから100マイル（約160キロ）ほど内陸に走ったシエラネバダ山脈の中心部、カリフォルニア州とネバダ州との州境に、美しい高原の湖であるレイクタホは存在している。ここは、西海岸における歴史ある観光地であると同時に、モーターボートや水上スキーといったウオータースポーツの中心地でもある。
そしてそこに、1940年に生を受けてから一度もその場を離れることなく、湖のマスコット的存在として親しまれているマホガニーウッド製の大型クルーザーがある。それこそが今回紹介する「THUNDER BIRD (サンダーバード)」である。
サンダーバードは、艇体に最上級のホンジュラスマホガニーウッドをふんだんに使った55フィートクルーザー。カリフォルニア州から遠く離れたミシガン州ベイシティの「ハスキンボート＆モーターワークス」で建造が始まった。
上部キャビンのルーフ周りには、1940年当時の最先端金属材料だったステンレスを使用した全天候モデル。完璧な耐候性に加えて、ウッドの持つぬくもりとメタルの輝きがもたらす先進性が同居した最高級クルーザーであり、大出力エンジンを装備した最強のパワーボートでもあった。