ヨーロッパで話題沸騰 免許不要の乗り物「ハウスボート」とは何か

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ドイツやオランダ、ベルギー、フランスで人気のハウスボート。その背景には何があるのか。

国土の3割以上が海水面下の国オランダ

ハウスボート(画像:Balticat Werft)
ハウスボート(画像:Balticat Werft)

 オランダは元々低地が多いため、海水面の上昇とともに洪水のリスクが年々増している。そこで、将来に向けてフローティングハウスやハウスボートを使用した水上の街づくりが研究されている。一方、そのような喫緊の課題とは別に、ヨーロッパにおいてハウスボートブームが到来しているという。

 オランダは、3割を超える国土が海面下にあり、ポンプが日々稼働し排水している。世界遺産にも登録されている水車群は、主に干拓地の水を排出するために使用されており、その昔から治水は重要なテーマだ。

また、今日ではダム、堤防、水門などを組み合わせた治水構造物であるデルタワークスを建設して、北海の大波から国土を守っている。総延長3000kmを超えるデルタワークスだが、海水面の上昇に合わせて、今後もかさ上げを続けるのかという課題がある。

 そのようななか、

「水と戦うのではなく水と共生する」

という考え方が生まれた。

 現在、国を挙げて水上での新しい生活様式について研究が進められている。その答えのひとつが、創造的かつ新しい住宅様式であるフローティングハウスやハウスボートだ。

フローティングハウスとハウスボートの違い

ハウスボート(画像:Balticat Werft)
ハウスボート(画像:Balticat Werft)

 水面に浮かぶ住宅という点では、フローティングハウスとハウスボートは同じである。双方の大きな違いは、単独で移動可能かどうかである。

 フローティングハウスは、アシに巣を結びつけて、水位に合わせて上下する水鳥の巣にヒントを得て考案されたといわれている。つまり、建物に取り付けたリングをくいに通して、住まいを固定する方法である。

 くいの長さにもよるが、オランダで研究中の建物は最大8mまで上下可能とのことだ。もちろん、建物を固定して使用することを前提としており、動力は付いておらず、単独で航行することはできない。

 ハウスボートは簡単にいうと、船の上部に住まいを取り付けた形態である。現代のような形式のハウスボートの起源は、アメリカ発祥説、フランス発祥説など諸説ある。フランス説では、1900年代初頭にパリの芸術家が古い船を改装してつくった別荘が起源とされている。

 今では、中古船を改装し居住部分を取り付けたものや、水に浮かぶ住居をつくり船外機を取り付けたものなどさまざまな形態があるが、いずれも単独で航行可能である。