台湾で中古車が新車の「2.4倍」も売れている、実に合理的な理由

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台湾では1996年から、新車より中古車のほうが売れている。その背景には何があるのか。

10年以上の中古車でも1万元以上

各車種の買い取り価格(画像:ワイズコンサルティング)
各車種の買い取り価格(画像:ワイズコンサルティング)

 中古車の価格は市場の需給に基づいて設定されるため、一般的に需要の多い中古車ほど高い価格が付く。また、台湾で販売されている中古車には、トヨタ車など台湾で組み立てられた台湾生産車と、BMW車などの輸入車がある。台湾生産車は保守や修理用部品が台湾で安く手軽に手に入るため、需要が高く、毎年の価格下落幅が小さい。

 台湾ではかつて、自動車各社が中古車の適切価格を設定できず、市場が十分に盛り上がらない時期が続いていた。しかし、1987年に台中市の自動車業者、 シン(=金三つ)権威国際(XINオーソリティー・インターナショナル)によって、月刊誌『権威車訊』が発行されて以降、中古車販売業者は同誌に掲載されている価格を参考にするようになった。『権威車訊』は業界でバイブルと呼ばれており、台湾で販売されている自動車の工場出荷年の価格情報がまとめられている。

 さて、2022年10月号に掲載されている各ブランドの人気車種買い取り価格は表の通りだ。中古車販売業者は表の価格を基に、車種の色や走行距離、人気度に応じて実際の買い取り価格を決定している。

 また、台湾の人気車種はその年の販売台数で決まる。2022年1~6月を例にあげると、人気車種は台湾生産のトヨタ自動車のスポーツ用多目的車(SUV)「カローラクロス」や輸入SUVの「RAV4」だ。『権威車訊』には自動車の販売台数ランキングも掲載されており、中古車販売業者は価格設定の際にそれを参考にしている。

 中古車の販売価格は通常、買い取り価格に約1割の整理費用、約1割の予測利益と約3~5万台湾元の交渉の余地を上乗せして決定される。

 また、台湾では工場出荷から10~20年以上経過した中古車でも約1万~10万元(4.5万~45万円)の買い取り価格が付く。こうした年式の古い車種は、予算が少ない消費者向けに販売されたり、新車を販売する業者に転売されたりしている。新車販売業者は年式の古い車種について、2016年から実施されている自動車の買い替え補助を政府に申請し、最大5万元(22.5万円)の補助金を得ることができるためだ。

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