台湾で創業20年のタクシー会社が「Uber」「トヨタ代理店」を圧倒しているワケ

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2001年創業のタクシー会社・台湾大車隊の躍進が止まらない。配車アプリの累計ダウンロード数は650万回に。Uberやトヨタの台湾総代理店すら上回っている。

台湾タクシーがUberを破った三つの戦略

台湾大車隊(画像:台湾大車隊)
台湾大車隊(画像:台湾大車隊)

 台湾大車隊(以下、台湾タクシー)グループは、2001年創業のタクシー会社だ。初期は衛星利用測位システム(GPS)を使った配車サービスを行っていたが、2011年には競合他社に先んじて、乗客と運転手をスマートフォンでつなぐ配車アプリ「55688台湾大車隊」を開発した。

 アプリ経由の利用者は1日平均延べ35万人、年間利用回数は8000万回に達している。筆者(陳逸如、経営コンサルタント)も年間500回以上利用している。サービス開始以降の累計運賃は176億台湾元(約790億円)以上だ。

 市場調査会社センサータワーによると、同社のアプリ「55688台湾大車隊」は2022年第1四半期(1~3月)のタクシー配車アプリダウンロード数でトップだった。配信以来、累計ダウンロード数は650万回に上る。なお2位は外資系配車プラットホームUber、3位はトヨタ自動車の台湾総代理店である和泰汽車のyoxiだった。

市場シェア最大の配車予測AI

台湾大車隊のアプリ(画像:台湾大車隊)
台湾大車隊のアプリ(画像:台湾大車隊)

 台湾タクシーの保有する車両台数は2万2000台で、台湾全タクシー台数の24%を占める。路上で見かけるタクシーの約4台に1台は同社の車両となる計算だ。

 全車にモバイルネットワーク、電子決済、車内広告放送などを処理するためのコンピューターが搭載されている。2018年には社内のITチームとグーグルが提携し、

・乗降データ
・天候
・大型コンサートなどのイベント

といった、乗車率向上に関連する情報を使用した人工知能(AI)予測システム「ホットスポット予測」を導入した。

 運転手はAIによって15分後に乗客が現れる地点を知ることができ、空車時間の減少、回転効率の向上を図れる。また乗客にとっても、乗りたいときにタクシーがない、待ち時間が長いといった不満から解放される。

 導入前の平均待ち時間は6分だったが、AIによるホットスポット予測導入後は平均3分まで短縮されており、乗客の消費体験の向上がアプリの使用頻度、ひいては台湾タクシーのサービスに対する粘着性の強化にもつながっている。

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