周囲から24時間監視されるタクシードライバー トイレすらままならない彼らが抱える「原罪論」とは
オアシスを次々と失うドライバーたち

タクシードライバーは、公園やコンビニをトイレの場所としてだけではなく、休憩場所としてよく利用する。いうまでもなく、公園はタクシードライバーだけの“オアシス”ではない。近隣住民の、小さい子どもたちのオアシスでもある。そのような場所にタクシーが頻繁に行き来すれば、当然、「危険」という声が上がってくる。
また、タクシードライバーにとって、公園は夜中の仮眠場所としても重宝されているが、アイドリング音もあり、クレームになることも少なくない。これはタクシードライバーに限ったことではないが、
「苦情先(=所属するタクシー会社)が知られている」
ため、ここぞとばかりやり玉に挙げられる。理不尽なのだが、残念ながら公園でタバコを吸ったり、しまいにはそのタバコを捨てたりするドライバーもなかには存在するため、ひとくくりにされて、弁解の余地すらない。
コンビニの駐車場も、ひょっとしたら「タクシー専用」ではないかと錯覚するくらい、タクシードライバーの利用頻度が多い。灰皿のある駐車場はなおさらだ。最近、灰皿を撤去するコンビニが多くなったが、もはや、タクシーを寄せ付けないための対策と取られてもおかしくない。それだけ、灰皿のあるコンビニのタクシー占有率は高い。もちろん、タバコに対する世の中の見方の変化もあるだろう。
しかも、コンビニでのタクシードライバーは決して「客単価が高くない」客である。それにもかかわらず駐車場を占拠しているのだから、コンビニ店員に営業妨害と思われても仕方がない。マナーを守り、灰皿のある場所でタバコを吸おうとしても、新たな問題を生んでしまうのだ。タクシードライバーはこのオアシスからも追い出されようとしている。
不意に現れる“緑のおじさん”

タクシードライバーを見張るのは、公園ユーザーやコンビニ店員だけではない。“緑のおじさん”でおなじみの駐車監視員も同様である。
駐車違反の多い大通りを入念にチェックすればいいものを、駐車場のないコンビニの前やトイレのある公園周辺に、彼らはよく現れる。摘発ノルマがあるか否かは置いておいて、摘発率が高そうな場所でよく見かける。
彼らのことを気にしていたら、トイレで出るのも出なくなってしまう。筆者自身も駐車違反未遂の経験が何度もある。だからときには、彼らが現れるのを待って、
「トイレに行きたいのですが、いいでしょうか」
とわざわざ断りを入れることもある。ここまでくると、トイレに行く行為がまるで悪いことのように感じる。同じ思いのドライバーは筆者だけではないだろう。