黄信号は止まるか進むか 自動運転車は「杓子定規に判断しない」 一般道で体感した技術の今

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クルマの自動運転は今、どの地点まで来ているのか。産官学・府省連携のプロジェクト「戦略的イノベーション創造プログラム」(SIP)が“自動運転の現在地”を体験できる試乗会を開催した。

東京臨海副都心の信号機には仕掛けがある

レベル4相当自動運転システムを搭載した金沢大学の車両(Merkmal編集部撮影)。
レベル4相当自動運転システムを搭載した金沢大学の車両(Merkmal編集部撮影)。

 2021年4月、トヨタが高度運転支援機能「Advanced Drive」を発表した。高速道路では一定条件のもと「手放し運転」も可能としているが、この機能は、国内メーカーでは日産、スバル、ホンダに続き4社目となる。

 各社がしのぎを削る自動運転の開発研究は今、どの地点まで来ているのか――産官学・府省連携のプロジェクトである「戦略的イノベーション創造プログラム」(SIP)が、3月の「第2期 自動運転 中韓成果発表会」に続き4月20日(火)と21日(水)、東京臨海副都心の青海で報道機関、ジャーナリスト向けの試乗会を開催。“自動運転の現在地”を体験できるクルマやシステムが集結した。

 参加した8団体の一つ、金沢大学の高度モビリティ研究所は、市街地における自動運転レベル4相当のシステムを搭載した乗用車を用意し、東京のお台場エリアを走らせた。

 実は、このお台場を含む臨海副都心の一般道には、自動運転の実証実験用に仕掛けが施されている。信号の色をクルマのシステムに知らせるITS無線路側機が、交差点の信号機に付いているのだ。これにより、たとえ逆光で信号の色が視認できなくても、配信によって信号の色を認知できるようになっている。

 自動運転の試乗車は、LiDAR、カメラ、レーダー、GPSといった検知・測定機器が乗用車の屋根や車体側面に取り付けられている。これら“眼”からの情報をシステムが処理してクルマが走る。

 試乗ではお台場の街を5分ほどかけて一周した。会場の出入りとなる最初と最後を除いて、クルマはあらかじめ決められたルートで加減速や信号待ち、右左折を実施。ドライバーは前方を監視しつつ、ハンドルから手を離してクルマの運転を見守った。

 金沢大学高度モビリティ研究所副所長の菅沼直樹氏によると、このクルマは搭載しているシステム用の地図(ダイナミックマップ)をベースとし、そこにGPSや検知情報を組み合わせて、車線単位で走行位置を判断しているという。

 そのため、たとえば降雪時や雨天時、夜間などの道路状況の変化が大きなハードルのひとつになる。消雪パイプ(路面のノズルから水を散布する装置)から出る水や、トラックがはねた水も、システムにとっては「障害物」と認識することもあるそうだ。

 カメラや赤外線、電波や音波などといった手段を組み合わせて道路や周囲状況の正確な検知を目指しているが、完璧なレベルまではまだ道のりが長い。