黄信号は止まるか進むか 自動運転車は「杓子定規に判断しない」 一般道で体感した技術の今
交差点の信号が「黄」に 止まる? 進む?

自動運転のクルマが交差点に差し掛かる直前で、信号が青から黄に変わったら、自動運転のシステムはどう判断するのか。
人間なら、周囲の交通の流れや停止線までの距離などにより、そのまま進む場合と停止する場合とで判断がその都度分かれるだろう。
今回の試乗ではクルマが偶然このタイミングに遭遇した。そのときシステムは、強めのブレーキをかけ停止線を越えて停止した。
前述のように、臨海副都心エリアの信号機は色の情報を無線で発信しているが、あわせて「青信号は残り13.5秒」のように、その色の残り時間も提供している。
システムはこの信号の情報と、周囲(特に後方)の車両の有無、自車の速度などを踏まえて、進むか止まるかを判断する。今回は、停止線を越えて横断歩道の手前でクルマは停止したが、これは、シートベルトの締め付けが強くならない程度のブレーキがかかったため、この制動距離になったという。
杓子定規に停止線で止まろうとすると急ブレーキとなり、乗員への衝撃や追突事故の懸念があるため、より現実的な選択肢も選ぶようになっている。
今回の企画は、金沢大学のほか、スバル、トヨタ、日産、ホンダ、ヴァレオ、コンチネンタル、ティアフォーも参加し、それぞれ実証実験のクルマが臨海副都心を走った。
この臨海副都心は、基本的に道路の車線や交差点などが整然と造られており、また、繁華街や住宅地と比べれば歩行者や自転車も少ないため、システムからすれば比較的「易しい」街並みとなっている。
「研究開発の段階ではここまで来ていますが、市販となると話は別です。安全性や安定性、信頼性を確保して初めて市場に出させるわけですから、その段階に至るまでにはまだまだ解決すべき課題があります」(金沢大学高度モビリティ研究所副所長 菅沼氏)
菅沼氏によると、自動運転車の開発は、大まかにいうと現在は5割くらいの位置とのこと。8割くらいまでは目処がついているが、残りの、レベル5の完全自動運転までの部分を詰めていくのは大変になるという。
金沢大学は20年以上にわたり自動運転を研究しており国内では老舗の部類に入る。そのため研究内容も多岐にわたっており、それが強みの一つでもあるという。今後も学内のみならず自動車メーカーとも連携して自動運転車のシステム開発を続けていくとしている。