交通インフラ等の運転・保守をパッケージ化 サイバー対策は防衛産業譲り 三菱重工エンジ

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三菱重工エンジニアリングが交通インフラやプラントなどの運転・保守に関する各種デジタルサービスをパッケージで提供する。定期的な保守点検から「予防保全」への移行を支援。独自のサイバーセキュリティも構築している。

新交通システムやプラントの運転・保守を効率化

三菱重工エンジなどからなるコンソーシアムが運行・保守を受注したドバイメトロ。同様のサービスをパッケージとして提供する(画像:ドバイ道路交通局、三菱重工業)。
三菱重工エンジなどからなるコンソーシアムが運行・保守を受注したドバイメトロ。同様のサービスをパッケージとして提供する(画像:ドバイ道路交通局、三菱重工業)。

 三菱重工エンジニアリングは2021年4月19日(月)、交通システムやプラントといった社会インフラの運転・保守を支援するデジタルサービスプラットフォーム「optimaX(オプティマックス)」を提供すると発表した。

 同社がこれまで新交通システムやCO2回収設備分野で提供してきた各種デジタルサービスをパッケージ化したもの。従来型の定期的な点検・保守実施(TBM)から、IoT技術を活用した状態モニタリングによる最適タイミングの予防保全(CBM)を志向するニーズに応える。具体的に次のような導入メリットを挙げている。

・設備稼働率の維持・向上:故障や不具合の予兆検知・保全によるダウンタイムの最小化。

・運転や保守のコスト、リソースの適正化:業務効率化、保守要員削減、予備品在庫適正化。

・安全性向上、事故防止:故障や不具合を予防するための定期的な保全(予防保全)の最適化。

・サイバー・セキュリティの強化 :防衛分野で培った三菱重工の独自技術「InteRSePT」の採用。

 三菱重工エンジは、ゆりかもめや日暮里・舎人ライナーといった新交通システムの全自動無人運転車両システム(AGT)などで、運転状況をリアルタイムで遠隔監視するサービスを提供してきた。この分野をさらに強化し、DX(デジタルトランスフォーメーション)への対応を加速すべく2021年4月から担当部署を「DX推進・開発管理部」に改称、組織を強化しているという。

 同部門により、新交通システムをはじめとするモビリティ分野における深層学習などのAI技術を活用した異常予兆検知など、デジタルサービスの研究開発を進め、新しいビジネスモデルへの変革・伸長につなげるとしている。

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