日立が「中国離れ」検討へ 台湾リスクで低価格時代は終焉を迎えるか
日立製作所が、中国や台湾をめぐる状況に懸念を示し、サプライチェーンの拠点を移すことを検討していると表明した。地政学リスクという観点から、サプライチェーンのあり方が変化しつつある。
グローバル経済で重要さ増す地政学リスク

それと時をほぼ同じくして、ロシアでの操業を停止していた大手自動車メーカーのトヨタとマツダ、日産は相次いでロシアからの撤退を表明した。
企業にとって撤退という決断は決して簡単なものではなく、同3社も情勢が厳しい中で様子を見てきたが、経済的コスト、またレピュテーションリスクの観点からこれ以上は難しいと判断したと思われる。
日本を代表する企業の相次ぐ決定に、今後は日本企業の撤退ドミノが起こるかもしれない。
このように見ると、グローバル経済の中で競争する日本企業にとって、経営判断をする上で地政学リスクという分野はこれまで以上に重要な要素になっている。
今後、不確実性と不透明性にあふれる世界の中で、地政学リスクを事前に見極め、リスク回避を目指した企業の取り組みはいっそう拡大するであろう。