高所カメラのレンズを拭く「カメフク」コミーとJR東が開発 ワンマン線区で威力発揮
コミーとJR東日本仙台支社郡山運輸区が、鉄道車両側面のカメラレンズを清掃する道具「カメフク」を共同開発した。
「カメフク」運転士と車掌が命名

コミー(埼玉県川口市)と、JR東日本仙台支社郡山運輸区が2021年4月、鉄道車両の車体側面に設置されたカメラのレンズを清掃する用具「カメフク(CameFuku)」を共同開発、共同特許を出願した。
コミーは施設や交通機関向けに死角をなくすミラーを開発・製造するメーカー。フラットなのに視野が広いオリジナル製品「FFミラー」は、鉄道業界では車両の手荷物入れ用として2007(平成19)年から採用されている。
今回のカメフクはミラーではなく、伸縮式の棒状の道具だ。ウェットティッシュを先端に固定して高所にあるカメラのレンズを掃除する。長さは21cm(伸長時45cm)、重さは約120gで超軽量。JR東日本の運転士や車掌から意見や要望を直接聞き製作された。カメフクという名前は、郡山運輸区の運転士と車掌が命名した。
郡山運輸区では、5両編成の列車に運転士1人が乗務するワンマン運転を実施している。車両の側面にはカメラが設置してあり、運転士は客の乗降の様子をカメラの映像を通じて確認しているが、高所にあるカメラレンズに虫などの汚れが付着して映像を確認できないときは迅速に拭き取ってきれいにする必要があり、カメフクの開発に至ったという。
コミーはワンマン運転を導入している他の鉄道会社にもカメフクを販売する予定。また、鉄道会社の乗務員や係員らのニーズを踏まえ、ミラー以外の商品開発も積極的に進めていくとしている。