財政難の京都市交通局 再建には「宿泊税」活用が一番なワケ

キーワード :
, ,
財政難の京都市・京都市交通局。それを救う手段はあるのか。

京都市の財政事情

京都市(画像:写真AC)
京都市(画像:写真AC)

 京都市交通局だけでなく、京都市そのものの財政事情も厳しい。

 財政事情を示す数値のひとつに「将来負担比率」がある。この数値は将来見込まれる借金などの重さを示すものだが、京都市は2019年度に191.1%となった。政令指定都市は20都市あるが、京都市はワースト1位だ。

 収入規模に対する借金割合を示す「実質公債費比率」も10.4%で、これもワースト4位。「市債残高」は1兆3424億円でワースト2位となっている。これは市民ひとり当たり、

「約92万円」

の借金を抱えていることになる。

 京都市は他の政令指定都市と比較して、税収面でも不利な点が否めない。学生が多い街であるため、納税義務者の割合が政令指定都市の中では最低となる

「43.1%」

となっている。さらに寺社仏閣が多く、景観保全を目的とした建造物の高さ規制が厳しいことから、面積当たりの固定資産税が低くなる。寺社仏閣が多いということは、観光客を誘致する面では有利だが、これらは非課税のため、税収面では不利なのだ。その反面、京都市職員の人件費は政令指定都市の中で4位と高水準だ。

 また、厳しい財政事情を示す要素として、「財政調整基金」が2000年度に枯渇していることも挙げられる。また、コロナ禍のため減債基金にも手を付けており、2021年度は200億円超の財源不足になっている。その結果、京都市も2028年度に夕張市と同様、財政再生団体に転落する危険性も指摘されている。

 経営が苦しければ、民営化が話題になる。大阪市交通局は、地下鉄・路線バスともに民営化を実施したが、筆者(堀内重人、運輸評論家)はそれが全てうまく行くとは思わない。民営化されると、外国人投資家が投機を目的に株を購入するため、株主への配当を重視した経営に陥る可能性があるのだ。

全てのコメントを見る